月曜日, 10月 31, 2016

Forever Young / いつまでも若く


Forever young by Bob Dylan|洋楽和訳 洋楽と映画を好きなだけ

http://ameblo.jp/uebersetzung/entry-12190707475.html

Forever young  by Bob Dylan

 

 

 

 

 

 May God bless and keep you always 

 May you wishes all come true

 May you always do for others

 And let other do for you

 May you build a ladder to the stars

 And climb on every rung

 May you stay forever young

 

 

 神に愛され いつも見守ってもらえますように

 すべての願いが 叶いますように

 いつも人に尽くし 人に尽くしてもらえますように

 星へと続く梯子をつくり 一段一段上っていきますように

 あなたがいつまでも若くありますように

 

 

 Forever young, forever young

 May you stay forever young

 

 

 いつまでも若く 

 あなたがいつまでも若くありますように

 

 

 May you grow up to be righteous

 May you grow up to be true

 May you always know the truth

 And see the light surrouding you

 May you always to be courageous

 Stand upright and be strong

 May you stay forever young

 

 清らかに育ちますように

 誠実に育ちますように

 いつも真実を知り あなたを包む光を見つめますように

 いつも勇敢に まっすぐで強い人でありますように

 あなたがいつまでも若くありますように

 

 

 Forever young, forever young

 May you stay forever young

 

 

 いつまでも若く

 あなたがいつまでも若くありますように

 

 

 May your hands always be busy

 May your feet always be swift

 May you have a strong foundation

 When the winds of changes shift

 May your heart always be joyful

 And may your song always be sung

 May you stay, forever young

 

 

 いつも夢中になるものを持っていますように

 いつも何かに取り組んでいますように

 風向きの変わる時も 強い芯を持つ人でありますように

 いつも心が喜びに満ち あなたの歌が歌われていますように

 あなたがいつまでも若くありますように

 

 

 Forever young, forever young

 May you stay forever young

 

 

 いつまでも若く

 あなたがいつまでも若くありますように

 



Forever Young / いつまでも若く (Bob Dylan / ボブ・ディラン)1974


The Band - Forever Young

https://youtu.be/jtFEzhaNrT4

May God bless and keep you always
May your wishes all come true
May you always do for others
And let others do for you

神様が君を祝福し
いつも見守ってくれますように
君の願いがすべてかないますように
君がいつも誰かのために尽くし
誰かが君の力になりますように

May you build a ladder to the stars
And climb on every rung
May you stay forever young

君が星へと続くハシゴをつくり
その一段一段を登っていけますように
君がいつまでも若々しくありますように

Forever young, forever young
May you stay forever young.

いつまでも若く いつまでも元気で
君はいつまでもそのままで

May you grow up to be righteous
May you grow up to be true
May you always know the truth
And see the lights surrounding you

君が正義感を持って育ちますように
君が誠実な人間に育ちますように
君がいつも真理を知ることができ
君を包んでくれる光に気付けますように

May you always be courageous
Stand up right and be strong
May you stay forever young

君がいつも勇気を持ち
背筋を伸ばし力強くありますように
君がいつまでも若々しくありますように

Forever young, forever young
May you stay forever young.

いつまでも若く いつまでも元気で
君はいつまでもそのままで

May your hands always be busy
May your feet always be swift
May you have a strong foundation
When the winds of changes shift

君の手がいつも忙しく動いてますように
君の足がいつも迅速に動いてますように
強くゆるがない信念を持ちますように
変化の風向きが変わろうとも

May your heart always be joyful
And may your song always be sung
May you stay forever young

君の心がいつも喜びに満ち溢れ
君の歌がいつも歌われ
君がいつまでも若々しくありますように

Forever young, forever young
May you stay forever young.

いつまでも若く いつまでも元気で
君はいつまでもそのままで

Writer:Bob Dylan

rung=ハシゴの一段
swift=迅速な

Released in 1974
From The Album"Planet Waves"

Bob_Dylan_-_Planet_Waves.jpg

220px-Forever_Young_cover.jpg

 ディランの“Forever Young”は、子どもに向けて歌った祈りの歌ということを聞いています。でも自分がいい歳になってきた僕は、なんとなく「いつまでも若く」とは自分らの

土曜日, 10月 29, 2016

柄谷行人とプルードン:転載

                     (柄谷行人リンク:::::::::) 

NAMs出版プロジェクト: 柄谷行人とプルードン:転載

http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_29.html

ニーチェにとって、永劫回帰とは、けっして内面化も一般化もしえない個別性(単独性)の反復であり、それはいわば固有名を取り返すことなのだ。

柄谷定本5・217頁


探究IIIの連載を読むと柄谷はプルードンを発見したからNAMを始めたことがわかる…。以下転載。

柄谷行人とプルードン 
http://yojiseki.exblog.jp/9320919/

柄谷行人は「群像」誌上における『探究3』の連載を単行本化する際に、プルードンへの考察を取り入れた(『トランスクリティーク』のアナーキストと最終章における考察)。
だが重要なのは、それ以前の『探究2』でスピノザを論ずるなかで得た結論と、プルードンの見解が一致するということだ。

プルードンは以下のようにいう。
「アンチノミーは解消されない。ヘーゲル哲学が全体として根本的にダメなところはここだ。アンチノミーをなす二つの項は互いに、あるいは、他のアンチノミックな二項との間でバランスをとる」
(プルードン『革命と教会における正義』未邦訳。斉藤悦則氏のHPより)
http://www.minc.ne.jp/~saito-/travaux/vive.htmlhttp://www.exblog.jp/myblog/entry/edit/?eid=a0024841&srl=9320919#

これらは以下の柄谷の考察と同じだ。

 <コジェーヴは、ヘーゲルの哲学を超越することはできないといった。《ヘーゲルの言説は思惟のすぺての可能性を汲み尽くしている。ゆえに彼の言説の一部を成していないような言説を、全体の契機として体系の一節に再現されていないような言説を彼の言説に対立させることは不可能であるしたがって、「弁証法的に揚棄され」うる「定立」ではないという意味では、この言説が弁証法的でないことが理解される》(『ヘーゲル哲学入門』上妻棉・今野雅方訳、国文社p275)。(略)要するに、ヘーゲルを超越しようとすることがまちがいなのだ。なぜなら、ヘーゲルの哲学はいわば超越の哲学であり、それを完結したものだからである。マルクスがやったのは「超越」の不可能性を示すことだ。そして、マルクス以前にスピノザはそれを示している。それは「無限」の観念によって可能なのである。>
(『探究2』、単行本p151-152、文庫p177)

<だが、シュレーゲル的な戯れを拒み、さらにヘーゲル的な和解を拒むとき、何が可能だろうか。(略)ニーチェにとって、永劫回帰とは、決して内面化も一般化もしえない個別性(単独性)の反復であり、それはいわば固有名を取り返すことなのだ。>
(定本第5巻p216-217)

ちなみに後者の引用に出てくるニーチェはスピノザの影響を受けている(「善悪の彼岸」なることばはニーチェがスピノザを読んだ後の覚え書きにある言葉であり、実際『エチカ』第4部定理68*に同様の言葉がある。また、マルクスの『資本論』におけるプルードンに対する執拗な批判も、貨幣を揚棄されて得た概念とするマルクスに対して、貨幣を設計可能なものとするプルードン=ゲゼル的思考を際立たせるものとしてあることに思い当たる。)

柄谷のプルードンに関する直接的な言及も重要だが、これらの考察こそ柄谷の可能性の中心と言えるものではないだろうか?

マルクスの認識にカントの倫理を組み入れたのが柄谷のアソシエーション論だとするなら、プルードンはそれを先取りしていたのである。そのことは柄谷のスピノザ論を見ることで論理的に明確になると思う。


*注:
スピノザ『エチカ』第四部には以下のようにある。なお後半部のモーゼをめぐる考察は柄谷の「抑圧されたものの回帰」等、フロイト(『探究2』単行本p159ではスピノザとの同種性が第5部定理3
=<受動の感情は、われわれがその感情についての明瞭・判明な観念を形成れば、ただちに受動の感情でなくなる。>から導かれる)をめぐる言説にも直接関係してくる内容である。


「 定理六八 もし人々が自由なものとして生まれたとしたら、彼らは自由である間は善悪の概念を形成しなかったであろう。
 証明 私は理性のみに導かれる人を自由であると言った。そこで自由なものとして生まれかつ自由なものにとどまる人は妥当な観念しか有しない。またそのゆえに何ら悪の概念を有しない(この部の定理六四の系により)。したがってまた善の概念をも有しない(善と悪とは相関的概念であるから)。Q・E・D・
 備考 この定理の仮定が誤りであること、そしてそれは人間本性だけを眼中に置く限りにおいてのみ、あるいはむしろ、無限なものとしての神ではなく、単に人間の存在の原因にすぎない神を眼中に置く限りにおいてのみ、考えられるのだということは、この部の定理四から明らかである。
 このことや我々のすでに証明したその他のことどもは、モーゼが最初の人間に関するあの物語の中で暗示しているように見える。すなわちその物語の中では、人間を創造したあの能力、言いかえれば人間の利益のみを考慮したあの能力、以外のいかなる神の能力も考えられていない。そしてこの考え方にそって次のことが物語られている。すなわち神は自由な人間に対して善悪の認識の木の実を食うことを禁じた、そして人間はそれを食うや否や生を欲するよりもむしろ死を恐れた、それから人間は自己の本性とまったく一致する女性を発見した時、自然の中に自分にとって彼女より有益な何ものも存しえないことを認めた、しかし彼は動物が自分と同類であると思ってからはただちに動物の感情を模倣(第三部定理二七を見よ)して自分の自由を失い始めた。この失われた自由を、族長たちが、そのあとでキリストの精神、すなわち神の観念 〜 神の観念は人間が自由になるための、また前に証明したように(この部の定理三七により)人間が自分に欲する善を他の人々のためにも欲するようになるための、唯一の基礎である 〜 に導かれて再び回復したのであった。」(畠中尚志訳。岩波文庫より) 

水曜日, 10月 26, 2016

権力への意志:メモ

                (ニーチェ:インデックスリンク::::::

NAMs出版プロジェクト: 権力への意志

http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_26.html


四七七 (673─74)  

 主は内的世界についてもその現象性を固執する。すなわち、私たちが意識するすべてのものは、徹頭徹尾、まず調整され、単純化され、図式化され、解釈されている

(内省と遡行9頁163頁)


四九〇 (473─74)

   主観を一つだけ想定する必然性はおそらくあるまい。おそらく多数の主観を想定しても同じくさしつかえあるまい、それら諸主観の協調や闘争が私たちの思考や総じて私たちの意識の根底にあるのかもしれない。支配権をにぎっている「諸細胞」の一種の貴族政治? もちろん、たがいに統治することに馴れていて、命令することをこころえている同類のものの間での貴族政治?

(『内省と遡行』「序説」16頁、「言語・数・貨幣 第1章」164頁に引用、

『日本近代文学の起源』126頁#3告白という制度でも引用)


 四九二 (475)   肉体と生理学とに出発点をとること。なぜか? ──私たちは、私たちの主観という統一がいかなる種類のものであるか、つまり、それは一つの共同体の頂点をしめる統治者である(「霊魂」や「生命力」ではなく)ということを、同じく、この統治者が、被統治者に、また、個々のものと同時に全体を可能ならしめる階序や分業の諸条件に依存しているということを、正しく表象することができるからである。生ける統一は不断に生滅するということ、「主観」は永遠的なものではないということに関しても同様である。…主観が主観に関して直接問いたずねること、また精神のあらゆる自己反省は、危険なことであるが、その危険は、おのれを、偽って解釈することがその活動にとって有用であり重要であるかもしれないという点にある。それゆえ私たちは肉体に問いたずねるのであり、鋭くされた感官の証言を拒絶する。言ってみれば、隷属者たち自身が私たちと交わりをむすぶにいたりうるかどうかを、こころみてみるのである。 

(『日本近代文学の起源』127頁#3告白という制度で引用)


同ヶ所


492

主観が主観に関して直接問いたずねること、また精神のあらゆる自己反省は、危険なことである[が、その危険は、おのれを、偽って解釈することがその活動にとって有用であり重要であるかもしれないという点にある。]それゆえ私たちは肉体に問いたずねる[のであり、鋭くされた感官の証言を拒絶する。言ってみれば、隷属者たち自身が私たちと交わりをむすぶにいたりうるかどうかを、こころみてみるのである。 ]

内省と遡行9頁163頁)近代文学の起源127頁#3「主観~である。」


五一八 (500─501)

   私たちの「自我」が、私たちにとっては、私たちがそれにしたがってすべての存在をつくりあげたり理解する唯一の存在であるなら、それもまことに結構! そのときには、或る遠近法的幻想が──一つの地平線のうちへのごとく、すべてのものをそのうちへとひとまとめに閉じこめてしまう見せかけの統一が、ここにはあるのではなかろうかとの疑問がとうぜんおこってくる。肉体を手引きとすれば巨大な多様性が明らかとなるのであり、はるかに研究しやすい豊富な現象を貧弱な現象の理解のための手引きとして利用するということは、方法的に許されていることである。(結局、すべてのものが生成であるとすれば、認識は存在を信ずることにもとづいてのみ可能である。)

(内省と遡行15~6頁164頁)



586c

この現世が「仮象」の世界で、あの世が「真」の世界であるとみなされるということが、或る症候のあらわれである。

「別の世界」という表象の発生地は、すなわち、 哲学者である。哲学者は理性の世界を捏造するが、この世界では理性と論理的機能がふさわしい、──ここから「真」の世界が由来する。

『哲学の起源』120頁   柄谷行人  岩波書店2012.11




一〇四一 (834─35)  「然り」への私の新しい道。──私がこれまで理解し生きぬいてきた哲学とは、生在の憎むべき厭うべき側面をもみずからすすんで探究することである。…

「精神が、いかに多くの真理に耐えうるか、いかに多くの真理を敢行するか?」──これが私には本来の価値尺度となった。…

この哲学はむしろ逆のことにまで徹底しようと欲する──あるがままの世界に対して、差し引いたり、除外したり、選択したりすることなしに、ディオニュソス的に然りと断言することにまで──…

このことにあたえた私の定式が運命愛である。

(『トランスクリティーク』定本版186頁


参考:

NAMs出版プロジェクト: 定本柄谷行人集(付『世界共和国へ』『NAM原理』)総合索引

http://nam-students.blogspot.jp/2006/05/nam_31.html#5


─────────────

帝国の構造35頁では、ニーチェは交換様式ACの区別をしていないと批判されている。


《彼は道徳性を経済的なものから説明しようとした最初の人物です 。もっとも 、ニ ーチェには 、互酬交換 (交換様式 A )と売買 (交換様式 C )の区別がなかったことを見落としてはならない 。》


『権力への意志』,❶J.126-7@/❸T.186@☆/P.119,120@☆☆


J:『日本近代文学の起源』

T:『トランスクリティーク』定本版

P:『哲学の起源』   柄谷行人  岩波書店2012.11


一〇四一 (834─35)  「然り」への私の新しい道。──私がこれまで理解し生きぬいてきた哲学とは、生在の憎むべき厭うべき側面をもみずからすすんで探究することである。…

「精神が、いかに多くの真理に耐えうるか、いかに多くの真理を敢行するか?」──これが私には本来の価値尺度となった。…

この哲学はむしろ逆のことにまで徹底しようと欲する──あるがままの世界に対して、差し引いたり、除外したり、選択したりすることなしに、ディオニュソス的に然りと断言することにまで──…

このことにあたえた私の定式が運命愛である。


☆☆

586c

この現世が「仮象」の世界で、あの世が「真」の世界であるとみなされるということが、或る症候のあらわれである。

「別の世界」という表象の発生地は、すなわち、 哲学者である。哲学者は理性の世界を捏造するが、この世界では理性と論理的機能がふさわしい、──ここから「真」の世界が由来する。

____


『権力への意志』,❶J.126-7@/❸T.186@

『哲学の起源』   柄谷行人  岩波書店2012.11

ニーチェ『権力への意志』,119,120@




権力への意志1066

《ウィリアム・トムソンがそれから引きだした或る終局状態という帰結》

差異と反復でドゥルーズが言及



参考:
NAMs出版プロジェクト: ニーチェ:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2012/01/blog-post_5.html



ニーチェ著、原佑訳 『権力への意志』上下巻、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1993年。

筑摩書房 ニーチェ全集12 権力の意志(上) ─権力の意志(上) / フリードリッヒ・ニーチェ 著, 原 佑 著

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480080820/
目次
第1書 ヨーロッパのニヒリズム(ニヒリズム
ヨーロッパのニヒリズムの歴史)
第2書 これまでの最高価値の批判(宗教の批判
道徳の批判
哲学の批判)
付録 計画と草案「ムザリオン版」

筑摩書房 ニーチェ全集13 権力の意志(下) ─権力の意志(下) / フリードリッヒ・ニーチェ 著, 原 佑 著

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480080837/

目次

第3書 新しい価値定立の原理(認識としての権力への意志
自然における権力への意志
社会および個人としての権力への意志
芸術としての権力への意志)
第4書 訓育と育成(階序
ディオニュソス
永遠回帰)


ワイド版世界と大思想 第3期 〈9〉ニーチェ (1972,2005,2013)

権力への意志

原佑訳

目  次  

◆序  言  

第一書 ヨーロッパのニヒリズム

   ◆計  画 

 Ⅰ ニヒリズム

  1 生存のこれまでの価値解釈の帰結としてのニヒリズム 

  2 ニヒリズムのその他の諸原因 

  3 デカダンスの表現としてのニヒリズムの運動 

  4 危機。ニヒリズムと回帰思想    

Ⅱ ヨーロッパのニヒリズムの歴史  

   a) 現代の暗鬱化

   b) 最近の数世紀

   c) 強化の諸徴候


第二書 これまでの最高価値の批判 

 Ⅰ 宗教の批判   

 1 宗教の発生 

 2 キリスト教の歴史 

 3 キリスト教的諸理想  

Ⅱ 道徳の批判 

 1 道徳的価値評価の由来 

 2 畜  群 

 3 道徳主義的なもの一般

 4 いかにして徳は支配的となるにいたるかの問題

 5 道徳的理想 

   A 理想の批判

   B 「善人」、聖者などの批判

   C いわゆる悪しき固有性の誹謗について

   D 改善、完成、向上という言葉の批判

  6 道徳の批判への結論的考察 

 Ⅲ 哲学の批判

 1 一般的考察 

 2 ギリシア哲学の批判 

 3 哲学者の真理と誤謬 

 4 哲学の批判への結論的考察    


第三書 新しい価値定立の原理 

   Ⅰ 認識としての権力への意志    

 a) 研究の方法 

 b) 認識論的出発点 

 c) 「自我」によせる信仰。主観 

 d) 認識衝動の生物学。遠近法主義 

 e) 理性と論理学の発生 

 f) 意  識 

 g) 判断。真─偽 

 h) 因果論への反対 

 i) 物自体と現象 

 k) 形而上学的欲求 

 l) 認識の生物学的価値 

 m) 科  学

Ⅱ 自然における権力への意志    

 1 機械論的世界解釈 

 2 生としての権力への意志  

  a) 有機的過程 

  b) 人  間  

 3 権力への意志および価値の理論    

Ⅲ 社会および個人としての権力への意志  

 1 社会と国家 

 2 個  人  

Ⅳ 芸術としての権力への意志  


第四書 訓育と育成 

 Ⅰ 階  序  

 1 階序の教え 

 2 強者と弱者

 3 高貴な人間 

 4 大地の主たち 

 5 偉大な人間  

 6 未来の立法者としての最高の人間

  Ⅱ ディオニュソス 

 Ⅲ 永遠回帰  

◆解  題  

◆解  説  信太正三  

◆シュレヒタ版配列表








ドゥルーズ『差異と反復』:メモ

http://nam-students.blogspot.jp/2012/01/blog-post_20.html



力への意志(ちからへのいし、英:Will to Power、独:Wille zur Macht)は、ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの後期著作に登場する、突出した哲学的概念のひとつである。

力への意志は、ニーチェの考えによれば人間を動かす根源的な動機である: 達成、野心、「生きている間に、できるかぎり最も良い所へ昇りつめよう」とする努力、これらはすべて力への意思の表れである。本人の著作では、「我がものとし、支配し、より以上のものとなり、より強いものとなろうとする意欲」[1]と表現される思想である。ニーチェの著作と言われる『権力への意志』は、ニーチェの死後に遺稿を元に妹のエリーザベトが編集出版したものである。

直接の影響を受けたのはアルフレッド・アドラーである。アドラー心理学には力への意思の概念が反映されている。 これはウィーンの他の心理療法学派と対照的である。それらにはジークムント・フロイト快楽原則(快楽への意思)、ヴィクトール・フランクルロゴセラピー(意味への意思)などがある。それぞれは、人の根源的な動機を別々に定義している。

解説[ソースを編集]

この言葉が公刊された著書に初めて出てくるのは『ツァラトゥストラはこう語った』第2部「自己超克」の章である [2]。 そこでニーチェは、「賢者」たちが全ての物事を思考可能なものにしようとする「真理への意志」の正体が、一切を精神に服従させようとする「力への意志」であると批判している[3]。すなわち、力への意志はルサンチマンと当初密接な関係があり、否定的なものとして記されていた。しかしやがてニーチェは力への意志を肯定的な概念としてとらえ直す。あえて積極的にニヒリズムを肯定し、ニヒリズムを克服することが力への意志となり得るのである。

力への意志は権力への意志と訳されることもあるが、力への意志の「力」は、人間が他者を支配するためのいわゆる権力のみを指すのではない。また「意志」は、個人の中に主体的に起きる感情のみを指すのではない[4]。力への意志は自然現象を含めたあらゆる物事のなかでせめぎあっている[5]。力への意志の拮抗が、あらゆる物事の形、配置、運動を決めている。つまり、真理は不変のロゴスとして存在するものではなく、力への意志によりその都度産み出されていくものなのである。この思想はジル・ドゥルーズの差異の哲学に受け継がれた[6]

また永井均はこの概念を指して、「力への意志」というよりは「力=意志説」と呼んだほうが良いと書いている。[7]

ニーチェは、キリスト教主義、ルサンチマン的価値評価、形而上学的価値といったロゴス的なものは、「現にここにある生」から人間を遠ざけるものであるとする。そして人間は、力への意志によって流転する価値を承認し続けなければならない悲劇的存在であるとする。だが、そういった認識に達することは、既存の価値から離れ、自由なる精神を獲得することを意味する。それは超人へ至る条件でもある[8]

力への意志という概念はナチスに利用されたが、ニーチェの哲学を曲解したものとする見方がある[8]

著書[ソースを編集]

ニーチェは『力への意志』を著すために多くの草稿を残したが、本人の手による完成には至らなかった。ニーチェの死後、これらの草稿が妹のエリーザベトによって編纂され、同名の著書として出版された[9]。 ただし、力への意志という言葉は『ツァラトゥストラはこう語った』や『人間的な、あまりにも人間的な』の中でも登場し、その概念をうかがい知ることができる。このことは、「力への意志」という主題がニーチェにとって著作としてまとまったものになるほど成長することはついになかったということであり、言ってみれば、ニーチェはその偽悪的なポーズにも関わらず、彼のファナチックな読者たちよりもずっと慎重な性格だったということである。

著作としての『力への意志』は「ニーチェの意志」ではないという当然の評価は、第二次世界大戦でのナチスドイツ敗北後に、ハンザー社の『ニーチェ三巻著作集』で編集者シュレヒタが同著作を『八十年代の遺稿から』というアフォリズム集に編集解体して初めて認知された。それまでは、ナチス時代を通じ『権力への意志』こそがニーチェの理論的主著であるというのが通念だったのである。

脚注[ソースを編集]

  1. ^ ニーチェ著、原佑訳 『権力への意志』下巻、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1993年、p.216。
  2. ^ 今村仁司編 『現代思想を読む事典』 講談社〈講談社現代新書〉、1988年、pp.423-424。
  3. ^ ニーチェ著、氷上英廣訳 『ツァラトゥストラはこう言った』上巻、岩波書店〈岩波文庫〉、1967年、pp.193-194。
  4. ^ 貫成人 『真理の哲学』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2008年、第1章§2。
  5. ^ 貫成人 『図解雑学 哲学』 ナツメ社、2004年、p.134。
  6. ^ 『わかりたいあなたのための現代思想・入門』 別冊宝島44、宝島社、1984年、pp.22-23。
  7. ^ 永井均『ルサンチマンの哲学 (シリーズ 道徳の系譜)』河出書房新社、1997年、p.142
  8. a b フリードリヒ・ニーチェ#思想を参照。
  9. ^ 日本語訳: ニーチェ著、原佑訳 『権力への意志』上下巻、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1993年。

関連項目[ソースを編集]



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「人間と世界が、〈と〉という小さな語の崇高な意図によって分かたれながら隣り合っているの

を見るだけで、私たちは爆笑する。」


Nietzsche, Le Gai Savoir , V, 346〔ニーチェ『悦ばしき知識』信太正三訳、ちくま学芸文庫、

1993、376−378ページ〕


ドゥルーズガタリがAO2:6で引用


上のニーチェの言葉はゴダールが企画書でドゥルーズガタリ経由で引用

Moi Je , projet de film (1973)

Jean-Luc Godard, documents p.199,215,219 


ニーチェ『権力への意志』を解読する(1) | Philosophy Guides

https://www.philosophyguides.org/decoding/decoding-of-nietzsche-wille-zur-macht-1/

ニーチェ『権力への意志』を解読する(2) | Philosophy Guides

https://www.philosophyguides.org/decoding/decoding-of-nietzsche-wille-zur-macht-2/

以下引用、

永遠回帰する力としての世界

最後にニーチェの永遠回帰(永劫回帰)についても触れておこう。

永遠回帰とだけ聞くと何だかアヤシイ。しかしポイントはシンプルだ。そしてこれを押さえておくことは、ニーチェの思想を受け取るにあたってとても重要だ。なぜならこの直観こそ、それまでの価値体系を支配していたキリスト教的世界観に変わる新たな世界観として考え出されたものだからだ。

ニーチェはこれをイメージや物語としてではなく、エネルギー保存の法則(熱力学第一法則)を手がかりとすることで、誰もが納得せざるをえないものとして示そうとした。その意味で永遠回帰は、仏教の輪廻転生とは本質的に異なるものだ。

ニーチェは次のように言う。

世界を次のようなものとして捉えてみよう。それは無限に反復されてきた力であり、これからも無限に繰り返し続ける円環運動だ。それは創造されたこともなければ、終末を迎えることもない、と。

そのように考えるのが許されるなら(しかもそれはエネルギー保存の法則によって“要請”されている)、私たちはすでにどのような瞬間も何度も経験してきたのだと考えることもことが出来るはずだ。

無限の時間のうちではあらゆる可能な結合関係がいつかはいちど達成されていたはずである。それのみではない、それらは無限回達成されていたはずである。

永遠回帰する世界には「救い」がない。苦悩は一度経験されるだけでなく、無限に経験されるからだ。しかし苦悩だけではない。もし一生のうち一度でも快や美や幸福を感じたことがあれば(そうでない人が果たしているだろうか?)、それもまた無限に反復される。

つまり無限性の観点から見れば、苦悩も快楽も、ともに等しく経験されることになる。苦悩が99.9999…%あっても、幸福が0.000…1%あれば、無限性の観点からすればどちらも∞であるからだ。

そうした世界こそ、私の哲学が肯定するものだ。私の哲学はニヒリズムを前提する。しかしだからといって私は生を否定することを目的とするわけではない。あるがままの生を「然り」と肯定すること、たとえ生が欺瞞にあふれているとしても、その生を是認すること。このディオニュソス的肯定こそ、私の哲学の目がけるところに他ならない。

私の生きぬくがごときそうした実験哲学は、最も原則的なニヒリズムの可能性をすら試験的に先取する。こう言ったからとて、この哲学は、否定に、否に、否への意志に停滞するというのではない。この哲学はむしろ逆のことにまで徹底しようと欲する—あるがままの世界に対して、差し引いたり、除外したり、選択したりすることなしに、ディオニュソス的に然りと断言することにまで—、それは永遠の円環運動を欲する、—すなわち、まったく同一の事物を、結合のまったく同一の論理と非論理を。哲学者の達しうる最高の状態、すなわち、生存へとディオニュソス的に立ち向かうということ—、このことにあたえた私の定式が運命愛である。

_____


http://www.geocities.jp/jbgsg639/sutta.html

 ニーチェの読んだ『スッタニパータ』は、


Sutta Nipata by M. Coomaraswamy

Keywords: Buddhism; Pali; Canon; Tipitaka; Tripitaka; Khuddaka; Nikaya; Sutta; Nipata; translation  Pages: 187

http://static.sirimangalo.org/pdf/coomaraswamysuttanipata.pdf



キリスト教は邪教です!―現代語訳『アンチクリスト』 ニーチェ,フリードリッヒ・ヴィルヘルム(著)

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062723123.html

http://blog.goo.ne.jp/zen9you/e/fea0ef6ba775f66d31871dd9fffa3107

 19世紀ドイツの哲学者ニーチェの「アンチクリスト」の現代語訳


『仏教はキリスト教に比べれば、100倍くらい現実的です。仏教のよいところは 
「問題は何か」と客観的に冷静に考える伝統を持っているところです。・・・そういう意味では 
仏教は、歴史的に見て、ただ一つのきちんと論理的にものを考える宗教と言っていいで 
しょう。』 

『仏教が注意しているのは、次の二つです。 
一つは、感受性をあまりにも敏感にするということ。なぜなら、感受性が高ければ高いほど、 
苦しみを受けやすくなってしまうからです。そしてもう一つは、なんでもかんでも精神的な 
ものとして考えたり、難しい概念を使ったり、論理的な考え方ばかりしている世界の中に 
ずっといること。そうすると、人間は人格的におかしくなっていくのです。』 

『仏教は良い意味で歳をとった、善良で温和な、きわめて精神化された種族の宗教です。 
ヨーロッパはまだまだ仏教を受け入れるまでに成熟していません。仏教は人々を平和でほ 
がらかな世界へ連れていき、精神的にも肉体的にも健康にさせます。 
キリスト教は野蛮人を支配しようとしますが、その方法は彼らを病弱にすることによって 
です。相手を弱くすることが、敵を飼い慣らしたり、文明化させるための、キリスト教的 
処方箋なのです』

 《僕はシュマイツナーの友人ヴィーデマン氏から、仏教徒たちの聖典heiligen Buchernの 
ひとつとかいう『スッタ・ニパータ』の英語の本を借りた。そして『スッタ』の確乎たる 
結句のひと  つを、つまり「犀の角ように、ただ独り歩め」という言葉を僕はもうふだんの 
用語にしているのだ。生の無価値とすべての目標の虚偽とにたいする確信が、しきりと、 
ときには僕の心に迫 ってくるのだ、ことに病気でベッドに寝ているときなどにはね。 
それで僕は『スッタ』からもっと多くのことを聞きとろうとしているのだ、ユダヤ=キリスト 
教的な言い回しと結びつけないで ね。 
 ――(三行略)―― 
 生に執着してはいけないということ、これは明白なことなのだ。だが、実際にもうなに 
ものも意志しないということになったら、どこで僕たちは生に耐えていけるのだろうか? 
認識せんと 意志することは、生の意志の最後の領域として、意志することと、もはや意志 
しないことの、つまり煉獄の領域と涅槃の領域の中間地帯として、残されているように僕は 
思うのだ。一方 には、不満を覚え、軽蔑しながら生をふりかえるかぎり、煉獄があり、 
他方には、精神(ゼーレ)が生によって純粋観照の状態に近づくかぎり、涅槃があるのだ。》 
             (理想社ニーチェ全集第十五巻「書簡集Ⅰ」塚越敏訳)


火曜日, 10月 25, 2016

NHK 資本主義の未来


NAMs出版プロジェクト: NHK 資本主義の未来
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_25.html
資本主義の未来III3
http://nam-students.blogspot.com/2018/10/3.html
NAMs出版プロジェクト: 安田洋祐 - Wikipedia
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/wikipedia_16.html
地域通貨キームガウアー
http://nam-students.blogspot.com/2018/10/blog-post_68.html



初回放送

2016年10月16日(日) 
午後9時00分~9時49分

関連ジャンル

  • 経済
  • 社会
豊かに幸せになるにはどうしたらいい? 格差ってどうして生まれるの? 商売を成功させる秘訣は? 人生につきまとうお金の悩み。その全てに関係するのが人類が生み出したシステム「資本主義」だ。その資本主義が今“500年に一度”とも言われる大きな岐路に立っている。無限に思われた成長の停滞、パナマ文書などで浮かび上がった富の偏在や巨大格差―。 社会に豊かさをもたらすと考えられてきたシステムが未知のひずみを引き起こし始めている。第1集のテーマは「経済成長」。
近年、世界の経済を牽引してきた先進国の成長が、急速に停滞し始めている。近代資本主義の発祥の地・イギリスでは、EUの離脱決定後にポンドが続落。先進各国もGDPの成長率を相次いで下方修正するなど未曾有の“超停滞経済”と向き合っている。なぜ成長は止まり始めたのか?今後も世界は成長を続けられるのか?フロンティアの消滅や、金融空間の限界など、その背景をひも解きながら、新時代での成長を模索する企業や経済学者の闘いを追う。

NHK総合|NHKスペシャル|2016/10/16(日)21:00放送 | TVでた蔵
http://datazoo.jp/tv/NHKスペシャル/1003437

(オープニング)
オープニング

番組内容紹介。「人類に繁栄をもたらしてきた資本主義、この先にあるのは何なのか?そして成長は?」など。
ジャック・アタリラファエル・コレアローレンス・サマーズ

爆笑問題×資本主義
お金をめぐって世界に”異変”

田中裕二が世界の経済成長率について解説。1970年代からどんどん落ちてきている。今回はこのまま成長し続けるのか、それとも限界が来てしまったのかについて考える。

爆笑問題×資本主義
先進国を襲う”異変”

イギリスエディンバラでは、アダム・スミスが「国富論」で見えざる手が社会を繁栄に導くとしていた。現在ヤングホームレスが8万人を突破した。経済成長の出発点が崩壊しはじめている。シンクタンク代表ラウル・ルパレルさんは「まるで資本主義が役目を終えてしまったかのようです」と話した。
アダム・スミスエディンバラ(イギリス)国富論
元米財務長官ハーバード大学教授ローレンス・サマーズさんは「これは人類が経済を生み出して以来、一度も経験したことのない事態です」と話した。これまで経済は不況に陥っても、経済政策や経済サイクルによって好景気を取り戻し、全体として成長に向かっていった。しかし現在はまるで上向いていこうとしない長期停滞となっている。ローレンス・サマーズさんは「長期停滞はいわば慢性的な病気でどんどん社会を衰弱させていくのです。その結果投資がなくなっていき、若者の失業とスキルの喪失につながるという負の連鎖を生み出します。そうなると社会全体で将来への悲観論が支配的になり、さらに景気が後退していくのです」と話した。
ハーバード大学

爆笑問題×資本主義
”長期停滞”の脅威

元イングランド銀行総裁のマービン・キングさんは「世界はアダム・スミスの見えざる手が成長を続けさせてくれると信じてきました。しかし資本主義が安定した世界を保つという物語は、誤りだったことが分かってきたのです。つまり我々は恐ろしく不透明で、何が起きてるか分からない世界に生きているということなのです」と話した。

爆笑問題×資本主義
成長が止まった!?”長期停滞”とは

大阪大学准教授の安田洋祐が登場。アメリカやドイツについて安田洋祐は「先進国の中では、比較的状況はまともな気はします。ただアメリカは格差が深刻で、平均的な労働者は全然豊かになっていない。ドイツは労働力も減ってきてなかなか成長率を補うのが難しい」と話した。
大阪大学

爆笑問題×資本主義
成長は限界!?低金利政策の行方は

安田洋祐は経済が冷え込んでいる時に政府が出来ることについて「公共事業や減税による財政政策、もしくは、低金利政策などの金利政策。金利が下がり続けてゼロになってしまった」と話した。

爆笑問題×資本主義
経済成長はなぜ必要なのか

安田洋祐は「経済成長しなくてもいいんじゃないかという意見もある。しかし経済成長がゼロの世界というのは、オリンピックでいうと記録が更新されないようなもの」と話した。

爆笑問題×資本主義
消える”フロンティア”

サリー大学教授ティム・ジャクソンさんは「人類の欲望は地理的限界を棚上げし、無限に成長を続けられると思い込ませたのです。しかし先進国の経済は目に見える形で減速しました。この方法ではもう成長できないことがわかった」と話した。ジャック・アタリさんは「経済における不正や腐敗、犯罪のまん延などが大きな問題となっている。民主主義や公益を守ることを資本主義が見失うとそれは破滅に始まりといえるでしょう」と話した。
サリー大学

爆笑問題×資本主義
大企業の不正はなぜ?

フォルクスワーゲンなど、大企業の不正事件が勃発している。元UBSリーダークウェク・アドボリさんは「我々の銀行は瀕死の状態になり、生き残れるかどうかの崖っぷちに立たされました。危険な方法でしたが不正な取り引き以外選択肢がなかったのです」と話した。リーマンショックから経営を立て直すためクウェク・アドボリさんは禁じられた高額の取り引きを行った。クウェク・アドボリさんは「会社から厳しい目標が設定されたとき「それは無理です」と言えず、不正に踏み切らざるを得なかった」と話した。
UBS銀行オリンパスゼネラルモーターズバークレイズ銀行フォルクスワーゲングループジャパンペトロブラスリーマン・ショック東芝

爆笑問題×資本主義
変質するシステム

元米労働長官でカリフォルニア大学教授ロバート・ライシュさんは「いわば「スーパー資本主義」ともいうべき、異質なものが生まれようとしています。より早くより効率よくより手頃なものを過剰なまでに追求するシステムに変貌しているのです。私たち人間はどれほど社会的良心がある人でさえ、出来る限り得をしたいと望みます。そして企業はあらゆる手段を使って競争を生き残ろうとします。行き過ぎた資本主義は、弱肉強食のジャングルのような世界を作り上げているのです」と話した。

爆笑問題×資本主義
成長は限界!?”フロンティアの消失”

安田洋祐は「物理空間も金融空間も限界となった。この先どうすべきかという問題になってきた。中国でもそういった状況になっているのが不安材料ではある」と話した。

爆笑問題×資本主義
”スーパー資本主義”変質するシステム

安田洋祐は、共産主義社会主義と資本主義の中間の道を模索している、極論は危険、ただ人類の歴史を見てくると極論から経験でしか学べない、と話した。

爆笑問題×資本主義
大企業の不正 その背景に何が

安田洋祐は「大企業の不正事件自体はおそらく昔からあったが、将来が不透明になってくると延命しようという動機は強くなる」と話した。

爆笑問題×資本主義
究極のイノベーション

イギリスがEU離脱を決めた日、AU投資ファンドは全体で5パーセント以上の利回りを確保して停滞を物ともしないカバーを見せつけた。ロテラ社社長ロバート・ロテラは「そのうちAIが進化し、1ヶ月先のマーケットの動きまで予測して売買できるようになるでしょう」と話した。ノーウェスタン大学ロバート・ゴードンは「いま多くの分野でイノベーションが育っています。3DプリンターやAI、ビッグデータ、そして自動運転。生産性が上がり、成長は加速するでしょう」と話した。
ロテラ社

爆笑問題×資本主義
シェアリング・エコノミー

シェアリング・エコノミーについて解説。生産、消費、所有の仕組みを根底から覆し、物を作らずに空間やサービスを共有することで利益を生む新たな経済を生み出そうとする。現在新型配車サービス「ウーバー」はフォードなどを超えてヨーロッパを席巻している。また旅行者と自宅の空き部屋を貸したい人をネットで結ぶ「エアビーアンドビー」などが人気となっている。Airbnbジョー・ゲビアCPOは「20世紀型の古い経済から、より多くの市民が経済の主体となって利益を得ていくという、新たな新本主義に移行しているのです」と話した。
Airbnbウーバー・テクノロジーズエアビーアンドビーシェアリング・エコノミーゼネラルモーターズフォード・モーター
かつて経済学者ヨーゼフ・シュンペーターは、新たなイノベーションにより古いものが淘汰されるが次々と真似する企業が現れて全体の利益を上げられなくなる、つまり成長のためには無限の破壊が避けられない「創造的破壊」を提唱した。シェアリング・エコノミーにより、旧来の宿泊客が激減している。
シェアリング・エコノミーヨーゼフ・シュンペーター

爆笑問題×資本主義
”成長”の救世主!?シェアリング・エコノミー

安田洋祐はシェアリング・エコノミーについて、今までも技術革新によって産業がガラっと変わってしまうことはたくさんあった、一番大きな違いは短期間で変化が起きている、と話した。
シェアリング・エコノミー

爆笑問題×資本主義
究極のイノベーション”AI”の未来は

安田洋祐は、AIによって定型化されたデスクワークを行っている人の仕事が奪われる可能性がある、必ずしも低賃金労働とは限らない、と話した。

爆笑問題×資本主義
日本は成長できるのか

安田洋祐は、成長は出来るんじゃないかと思う、日本はどんどん人口も減り始めているが生産年齢人口も早いペースで減り始めている、そうなると1人当たりは結構頑張って働いている、と話した。
1 -  2

爆笑問題×資本主義
どうなる 資本主義の未来

安田洋祐は、資本主義は今までもずっと変わってきた、資本主義もいろんな形で軌道修正されてきた、問題を克服していくための広い意味での制度設計は十分に可能性がまだある、と話した。

(エンディング)
エンディング

利益を追求し不正事件を起こした元トレーダークウェク・アドボリは「取り引き中によくアダム・スミスの「見えざる手」の話をしました。彼の故郷に私がいるなんて皮肉ですよね」と話した。フェイスブックは上空の巨大ドローンで50億人のネット市場を狙う。またピゲロー・エアロスペース社は2020年の宇宙ホテル開業を目指す。
Facebookアダム・スミスビゲロー・エアロスペース

(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

参考:
NAMs出版プロジェクト: 安田洋祐 - Wikipedia
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/wikipedia_16.html

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初回放送

2016年10月22日(土) 
午後9時00分~9時49分

関連ジャンル

  • 経済
  • 社会
    第2集は、成長のルールをめぐる国家と市場経済の攻防を追う。これまで市場経済を統御してきた国家が力を失い、資本主義をコントロールできなくなっている。ある南米国家は欧米の巨大企業の進出で成長を狙ったが逆に税収や失業率が悪化し国家破綻の危機にさらされている。経済が低迷する南太平洋の島国では、経済規制をゼロにすることで投資を呼び込む、「国内国家」の検討を始めている。背景にあるのは“国家のルールは少ない方が競争を促し成長できる”と考える「新自由主義」の広がりがある。今や北欧の福祉国家さえも社会保障の財源のため新自由主義の導入を検討し始めた。
    そして法律や規制はいっさい要らないと国家不要論を主張するグループまで現れ、世界の国々と自治区設立を目指し、交渉を始めている。経済が行き詰まるなか、国のルールや規制を大きく変えてまで成長を求める資本主義は私たちに何をもたらすのかを考える。
    NHK総合|NHKスペシャル|2016/10/22(土)21:00放送 | TVでた蔵
    http://datazoo.jp/tv/NHKスペシャル/1005115

    (オープニング)
    オープニング

    もみくちゃになりながら壇上に上がったのは南米の大統領。この国では財政危機を迎えている。海外から誘致した企業から損害賠償を求められており、その額が国家予算の5割となっている。巨大企業が国を訴えるケースが年々増えていて累計700件となっている。
    エクアドルジョン・クリステンセン租税回避

    爆笑問題×資本主義
    お金めぐる“異変”

    国と巨大グローバル企業の関係に異変が起きているおt説明。国の歳入と企業の歳入を多い順に並べると10位には企業が入っており、ベスト100の中に70の企業がランクインしている。
    アップル・インコーポレイテッド

    爆笑問題×資本主義
    国家vs.超巨大企業

    国境を越えて広がりを見せるグローバル企業は国との軋轢が生まれている。その代表例が「税金」である。アメリカに本社をおく「Apple」は法人税を下げている。しかし、AppleのCEOがアメリカの公聴会に呼ばれていた。公聴会ではアメリカで収める税金をアイルランドで納税したと「租税回避」を指摘。Apple側は合法であると主張し法律上の問題は無いとして議会でもそれ以上の追求はなかった。2015年度で確認された租税は2400億ドルとなっている。
    アイルランドアップル・インコーポレイテッドアメリカティモシー・D・クック租税回避税金
    租税回避について経済学者のジョン・クリステンセン氏は多くのグローバル企業が行っているとみられると説明し、この動きが続けば、国家の機能を揺るがす事態になりかねないと説明。租税回避を加速させている要因として国の法人税の引き下げ競争で例えばヨーロッパでは2000年と比べイタリアを始め多くの国で法人税の引き下げが行われている。16年8月にこの問題についてEUは違法であるとし司法裁判所へ提訴を検討している。また、オバマ政権も税金がEUに流れると懸念を示した。その他オランダでスターバックスで追加課税などヨーロッパで数多くの動きを見せている。
    Amazon.comアイルランドアップル・インコーポレイテッドイギリスイタリアオランダグーグル(Google)スターバックスコーヒードイツバラク・オバマポーランド欧州連合法人税租税回避

    爆笑問題×資本主義
    国家vs.超巨大企業

    世界中で「租税回避」額は25兆円となっていると説明。スタジオではEUの追加課税を説明。アイルランドでは法人税率は12.5%となっていたが、EU側は実際に払っていたのは0.005%で他の国も絡ませて税金を圧縮していたと主張。これに対してAppleは合法と主張している。また、EUが調査などをしている企業は「スターバックスコーヒー」など世界中の人が日常的に利用している所など話した。
    Amazon.comアイルランドオランダグーグル(Google)スターバックスコーヒースターバックスコーヒージャパンフランスルクセンブルク欧州連合租税回避税金

    爆笑問題×資本主義
    租税回避

    「租税回避」について説明。本来国は経済政策で企業の成長を促したり、企業が社会に悪い影響を与えないよう規制・管理する。そして、「再分配」という国民との格差を無くすため税金として一度回収し福士などの分野に分配するなどしていて、これらの動きが資本主義の健全な発達を促した。
    租税回避

    爆笑問題×資本主義
    ”租税回避” 何が問題に?

    「租税回避」によって、本来収められる税金が納められず国の税収が減る。そのため公共サービスが減ったり、消費税が増税などにつながるという。
    消費税租税回避

    爆笑問題×資本主義
    巨額裁判

    国と巨大企業の力関係を示すような巨額裁判が各国で起きている。大企業に訴訟を起こされた国家は109カ国でおよそ700件となっている。エクアドル共和国ではラファエル・コレア大統領が多額の損害賠償で国家財政を大きく揺るがしていると説明している。訴訟の場所となっている一つでは採掘作業は終えているが今も原油が漏れ続け周辺住民への健康被害が出ている。環境破壊などの責任問題で国と会社側で長らく争っている。
    アメリカエクアドル共和国ラファエル・コレア
    国に訴訟を起こす企業の背景には「ISD条項」という協定がある。「ISD条項」は企業が外国に進出する時の約束事で国の対応によって損害が出た時訴訟を起こすことができるという。エクアドルの場合通信会社など合計22件に訴えられ既に結審したものだけでも賠償額が2000億円になるという。財政の悪化により行政サービスがカットされるなど影響が出ている。家政婦として働いているルビンさんは国から月に50ドルの援助を受け子どもたちを育ててきたがそれがカットされ、不平等と主張した。
    ISD条項エクアドル

    爆笑問題×資本主義
    スタジオトーク

    国と企業の関係性について劇的に変化していると説明。また、日本では現段階ではその可能性はまだないが「TPP」には似たような条項があり今後起きる可能性があると諸富徹氏は説明した。
    環太平洋戦略的経済連携協定

    爆笑問題×資本主義
    ホンジュラス共和国

    企業から訴えられながらもその恩恵を必要としている国もある。ホンジュラス共和国ではかつて無い政策で注目されている。セデと呼ばれるホンジュラスの経済特区でホンジュラスの法律が及ばないという。ホンジュラスのオソーリオ・カレーナス将軍は「他に手立てはない」と述べた。一方で国民から大反対の声も出ている。反対しているのは住んでいる場所を経済特区に指定された人たちで特区建設のために立ち退きを求められている。
    ZEDEホンジュラス共和国

    爆笑問題×資本主義
    国家を飲み込む巨大企業

    国と企業の力関係について21世紀に入ってから顕著に出てきたと諸富氏は説明し、現在は企業が国を選ぶ時代と話した。

    爆笑問題×資本主義
    国家vs.超巨大企業

    企業が国を飲み込むほど大きくなった理由を紹介。19世紀イギリスでは産業革命となり資本主義という考えが生まれ、アダム・スミスが唱えた通り企業が自由に経済活動をし経済成長が進んだ。しかし、利益を優先するあまりに公害などが起き、国による管理が始まる。その一方で「世界恐慌」になると国が仕事を与えるなど救済処置が行われた。「第2次世界大戦」以降は国内市場の拡大を目指し、戦後の経済成長が実現される。しかし、70年代以降各国のGDP率が伸び悩む。そこで、マーケットを国内から世界へ広げる。そして、ミルトン・フリードマン氏は企業への政策をなくせば企業の競争率が上がると唱えた。この理論の元、各国は規制を緩和しGDPが右肩上がりとなった。しかし、2008年に「リーマンショック」で経済で厳しい状態となった。
    アダム・スミスアメリカイギリスニューディール政策ミルトン・フリードマンリチャード・ニクソンリーマン・ショック世界恐慌国内総生産産業革命第二次世界大戦資本主義

    爆笑問題×資本主義
    変わり続ける国家の役割

    時代の流れによって様々な政策などをとっている。「リーマンショック」が大きな分岐点であるなど説明。今後の動きについて市場に負かせていれば問題は解決するということに不信が広がっているので、それを国家に求めるかそれ以外の新しいものに転換するかである。
    リーマン・ショック資本主義

    爆笑問題×資本主義
    国家vs.超巨大企業

    多様化するグローバル企業とそれに対応できない国。この状態が続けば国の動きは逆行すると経済学者・ジャック・アタリ氏は主張する。さらに経済紛争、場合によっては政治的な紛争のリスクを生み出される可能性もあるという。そこで、アタリ氏はEUや国連の上に調整できる組織を作り、共通の利益を守る仕組みを提唱している。
    国際連合欧州連合

    爆笑問題×資本主義
    どうなる資本主義の未来

    資本主義の未来について先進国でも企業が反発して訴訟を起こすのは現在でも起きていると説明。また、EUのやり方について諸富氏は情勢を見ていると解決するかは疑問に思うなど話す。
    政府開発援助欧州連合資本主義

    爆笑問題×資本主義
    国家vs.超巨大企業

    資本主義と国家の関係に業を煮やし、国に変わるものを1から考える計画が進められている。計画を進めているのはパトリ・フリードマン。計画は人工の島にビジネスをしたい人たちが集まり、自分たちでルールを作っていくというもの。この考えについて、若い起業家が自由な経済活動ができると数千人が賛同している。タヒチで交渉を行い合意を得た。
    エドワー・フリッチカリフォルニア(アメリカ)サンフランシスコ(アメリカ)タヒチピーター・ティールポリネシア(フランス)ミルトン・フリードマン
    その一方で、国家の役割を変えるべきという考えも芽生えている。そんな中スペイン・マリナレダ村では競争を制限するという取り組みを行い、注目されている。村長のサンチェス・ゴルディージョさんは人が生きていく上で必要な食べ物や住居で儲けてはならないと考え「衣食住」ではビジネスの対象にしないとしている。それ以外の仕事では村が後押しして支えている。そして、若い人が増えて生産性も向上しているという。
    カメルーンマリナレダ村(スペイン)資本主義

    (エンディング)
    エンディング

    エンディング映像。

    参考:
    村長がスーパーを襲撃! スペイン南部の“異端の村”マリナレダは“理想の村”なのか? | ビジネスジャーナル

    海の上に「独立国家」を作ろうとしている男 2011.12.25


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    初回放送

    2016年10月23日(日) 
    午後9時00分~9時49分

    関連ジャンル

    • 経済
    • 社会
    第3集は、変容する富の分配と巨大格差。資本主義は、人類が史上経験したことのない「巨大格差」を生み出した。その象徴が、世界におよそ150人いるという年収2400万ドル以上の「プルトクラート」と呼ばれる超富裕層だ。巨大な富と力を得たプルトクラートは今年注目のアメリカ大統領選挙を背後で支え、影で世界の趨勢を握っている、とも言われる。一方で、利益の追求を放棄するニューウェーブが世界各地で起き始めている。自らの年収を10分の1にすると宣言するCEO、給与体系を変更し全従業員の賃金を同額にする企業、利益を分かち合う自治体―。過剰な富の追求は「幸福」に繋がらないという経済学が注目を集め始めているのだ。世界の富の分配は、今後どう変容していくのか検証する。




    NHK総合|NHKスペシャル|2016/10/23(日)21:00放送 | TVでた蔵

    (オープニング)
    オープニング

    アメリカのある企業経営者は自らの報酬を大幅カットし、全社員の最低賃金を7万ドル(約735万円)に引き上げると発表。同氏は「新たなビジネスモデルになるかもしれない」とコメント。世界に蟠踞する資本主義は巨大な経済格差を生み、アメリカでは7人に1人が生活困窮状態にある。一方で莫大な冨が富裕層に集結し、世界で最も裕福な62人の資産は世界人口の下位36億人の資産と同じという報告が発表された。フランス・パリなど資本主義に対する大規模な抗議デモが行われるなど、巨大格差が極限にまで達した先にどのような未来が待ち受けているのか。
    アメリカウルグアイスタンリー・ハバードダン・プライスパリ(フランス)ホセ・ムヒカボリビア資本主義

    (オープニング)
    オープニングトーク

    今回のテーマは「巨大格差」で、田中裕二は世界で最も裕福な62人の資産は世界人口の下位36億人の資産と同じという報告結果を伝えた。前者の1人あたりの平均資産は約3兆円、後者は約5万円とされている。国別の経済格差に着眼すると日本でも格差は広がっているが、アメリカは頭抜けていた。
    アメリカ爆笑問題資本主義

    爆笑問題×資本主義
    どうなる?巨大格差

    アメリカ・シアトルは全米有数の経済都市で、その街の中心部にテント・シティが出現した。急増するホームレスのために市が公的に設置を認め、市内に約8か所ある。仕事があっても家賃が払えずにテント生活を余儀なくされている人もいる。一方で富裕層は着実と冨を増やしていて、ミネアポリスで開催されたパーティーには資産1000万ドルのビリオネアたちが出席していた。御年83歳のスタンリー・ハバード氏は資産22億ドル(約2300億円)で、アメリカを代表するメディア王の1人。同氏は1980年代に世界で初めて一般家庭向けの衛星システムを開発し、冨を築いてきた。ハバード氏はハイリスク・ハイリターンだったと述懐し、経済格差は存在するが多くの貧困者に仕事のチャンスを与えればいいとコメント。
    シアトル(アメリカ)テント・シティハバードブロードキャスティングビリオネアミネアポリス(アメリカ)
    ハワード氏は長年に渡って共和党を支持し、巨額の献金を行ってきた。同氏による献金を受けたロナルド・レーガン大統領は規制緩和策、法人税減税などを進めた。アメリカ大統領選挙に富裕層から莫大な献金が集まり、総額約1800億円のうち約600億円をビリオネアといった富裕層が投じているとされる。ハワード氏は共和党を支持する富裕層と有力な政治家が集まる極秘の政治集会に参加した。主催者はコーク兄弟で、兄弟の総資産は世界一のビル・ゲイツを上回る。集会ではドナルド・トランプ氏を支持するか協議したといい、ハワード氏によるとトランプ氏を支持しないことを決めたという。一方で同じ思想を持つ連邦議会への議員らへ献金すると明かした。
    アメリカ合衆国大統領選挙コロラドスプリングス(アメリカ)チャールズ・コークデイビッド・コークドナルド・トランプハバードブロードキャスティングビリオネアロナルド・レーガン共和党資本主義
    アメリカの政治と金の相関関係を調べるプリンストン大学のマーティン・ギレンス教授は過去20年に採択された1800の政策を分析。うち45%が富裕層が主張する内容だったことが判明し、中間層や低所得者層が政策に与えた影響はほとんどないという。アメリカ・テネシー州では貧困率が全米でワーストクラスで、州政府は低所得者向けの新たな医療保険制度を作ることを決断。成立は目前と思われていた昨年2月、コーク兄弟が支援する団体が反対し1か月余で廃案となった。オグルス氏は全員に無料の医療サービスを提供するのは夢物語で、現実を直視する必要があると語った。
    チャールズ・コークテネシー州(アメリカ)デイビッド・コークプリンストン大学資本主義
    ダニエレ・バイヤーズさんは椎間板の変形や肺炎などを併発し、約2年前から仕事を続けることができていない。現在は住民とともに法案の再提出に向けて活動しているが、その目処はたっていないという。一方で経済成長にとって格差は否定できないという研究者は少なくなく、リチャード・エプステイン教授は「富裕層の資産は大幅に増えるが、貧困層の資産も少ないながらも増加し、社会全体は繁栄する」と指摘。
    ニューヨーク大学

    爆笑問題×資本主義
    どうなる?巨大格差

    慶應義塾大学の井出英策教授はアメリカでは経済格差によって貧困層と富裕層とで社会が分断され、互いが分かり合えない状態となっていると語った。日本でも経済格差は進み、2010年時点で1人親の想定的貧困率は50.8%。一方で格差はあっても経済成長によって大きな問題とならない考え方もあり、グラスタワーで例えた。まず最初に富裕層、経営者に富が入るが、低所得者層もわずかながら恩恵に浴することができるというもので、トリクルダウンという経済理論と呼ばれる。
    トリクルダウン効果慶應義塾大学
    現代は最も格差の大きい時代に突入しているという統計結果があり、富は富裕層、経営者に富が一手に集中している。また、井出英策教授は低い経済成長率によって、貧困層へにも配るパイが少ないと指摘した。
    慶應義塾大学

    爆笑問題×資本主義
    格差の歴史 250年

    近代資本主義が誕生してから250年が経過し、拡大と縮小を繰り返していた格差は1980年代から広がり続け、空前絶後の巨大格差の時代に突入している。本来、格差は競争心、努力を促して経済発展に繋がるとされ、過去には順調な経済発展を遂げた。だが利益をため込む資本家も擡頭し、その中で1917年にロシア革命が起きた。社会主義経済を掲げたソビエト連邦が誕生し、一方で資本主義の国々でも格差是正に向けた政策を強化していった。富裕層に高い納税を課して社会福祉の充実させるものなどで、格差は比較的に小さく抑えられた。だが70年代になると低成長時代に入り、政府は経済活動を促すために法人税減税などを推進。すると経営者らの報酬が増える一方、労働者との格差が拡大。その後、91年にソ連が崩壊し、資本主義の対抗勢力が消失した。さらにIT化、グローバル競争によって低賃金競争が巻き起こり、巨大格差が生まれた。
    ソ連崩壊ロシア革命資本主義

    爆笑問題×資本主義
    格差はなぜ広がった?

    井出教授は過去に資本主義と社会主義の緊張関係があり、社会主義を意識しながら資本主義を掲げる国家でも格差是正などを打ち出していたと説明。だがその緊張状態が無くなり、太田光は「労働意欲、競争の観点から社会主義、共産主義に問題があったのも事実」と語った。近代ではIT化やグローバル化によって企業は人件費を削減せざるを得ず、労働者の賃金低下が起きて経済格差が大きくなっている。太田は「資本主義のスピードに人間の哲学が追いつけていない」とコメント。
    慶應義塾大学社会主義資本主義

    爆笑問題×資本主義
    巨大格差がもたらす危機

    カリフォルニア大学のロバート・ライシュ教授は巨大な経済格差に警鐘を鳴らしている。大金を生み出し、イノベーションに拍車をかけるといったメリットもある一方で、行き過ぎた格差は危険だと指摘。教授は一握りの富裕層が特権を持った貴族のように振る舞う一方、国民の間では無力感が支配し、経済の停滞とともに世界は分断されるという社会を素描している。ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領は巨大格差は世界各地の排他的な大衆迎合主義を助長し、社会に大きな亀裂を生み出しているとの見解を示している。
    カリフォルニア大学

    爆笑問題×資本主義
    巨大格差がもたらす危機

    井出教授は所得階層、正規・非正規雇用などで分断線が引かれ、社会が個別利益の塊になっているとの考えを示した。貧困のフラストレーションを他の対象に転嫁する事態も起きる可能性があり、太田はネットの炎上、ヘイトスピーチなど人々がイライラが募らせているのを感じると語った。
    ホセ・ムヒカ慶應義塾大学

    爆笑問題×資本主義
    巨大格差をどうするか?

    過去に世界最大の資産運用会社に勤務していたモリス・パール氏は格差の是正に動き出している。同氏を含めた200人の富裕層が集う政治団体「パトリオティック・ミリオネアズ」は富裕層への増税、最低賃金の引き上げを訴えていて、パール氏は低所得者層が中間層に押し上げられることで消費が増えると指摘する。
    パトリオティック・ミリオネアズ民主党大会
    アメリカ・シアトルにあるグラビティ・ペイメンツ社は地元の小売店向けにクレジットカードが手頃な金利で決済できるサービスを手がけていて、ダン・プライスCEOは昨年に自らの報酬を大幅カットし、全社員の最低賃金を7万ドル(約735万円)に引き上げると発表した。社員のコーディ・ブアマンさんは給料アップで仕事への意欲があがり、さらに細君が妊娠したため、給料でベビー用品を買い揃えることができた。会社ではこの1年で11人の社員が子供を授かり、生活の変化に合わせて消費も活発化した。プライスCEOはこうした動きが他の企業に広がれば経済全体が活況を呈すと考えている。だが共に会社を創業した兄のルーカス氏に報酬が不当に低く抑えられたと訴えを起こされ、幹部2人は新たな給与体系に反発して退職した。従業員の賃金と経営層の報酬のバランスへの模索が続いている。
    グラビティ・ペイメンツシアトル(アメリカ)

    爆笑問題×資本主義
    巨大格差をどうするか?

    太田光は経済格差が広がるなかで新たな思想を発展させるべきだが、難しいと語る。井出教授は古代ギリシャの時代から思想家はなぜ、社会を作るのか、政府をつくるのか様々な論説を提案してきたが、共通しているのは「誰かの利益ではなくみんなの利益を提供するため」と伝えた。格差を小さくなる方法は医療、育児保育などのように皆が受益者であり負担者になることと指摘した。
    慶應義塾大学

    (エンディング)
    エンディングトーク

    太田光は「3回の放送を通して様々な話を聞いてきたが最終的には人間の価値観が重要」と語った。価値観の認識が新たな動きへのきっかけになると感じているという。

    (エンディング)
    エンディング

    経済学の父と言われるアダム・スミスは市場経済を動かすのは利己心と説きつつも、道徳感情論において共感という概念について綴っている。経済活動において相手の不利益にも思いを馳せ、自分の行動を決めることを指す。現代の資本主義は時としてその共感を忘れてひたすらに利益を追い求めている。今年、来日したホセ・ムヒカ氏は「あなたが何かモノを買う時、お金で買っているのではなく、お金を稼ぐために費やした時間で買っている。かけがえのない人生を大事にして欲しい」と訴えた。
    アダム・スミスホセ・ムヒカ東京外国語大学道徳感情論
    文明評論家のジェレミー・リフキン氏は2050年には共有型経済が資本主義と並び立つ存在となっていると指摘。お金を介さずに物やサービスを分かち合う新たな経済で、既にオランダではあらゆる日用品を無料で貸し借りするシステムが始まっている。昨年に無料で貸し借りされた品物の総額は10億ユーロ相当で、食事のおすそ分けサービスもスタート。メディア王のスタンリー・ハバード氏は現代の資本主義こそ、等しくチャンスが与えられ、努力の分だけ見返りがあるとの考えだが、取材中に自らのボートから周囲を見渡し、「小さなボートに中くらいのボート。彼らは私と同じくらい、もしかしたら私より楽しそうだ」と語った。
    アムステルダム(オランダ)共有型経済資本主義

    (エンディング)
    エンディング

    エンディング映像。