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スピノザ、
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本頁
アインシュタインがスピノザを愛好していたことはよく知られている(*)。
twitter上でも信仰についてもコメントがよく引用される(***)。
以下は『私は神のパズルを解きたい』(哲学書房。写真のアインシュタインの蔵書『エチカ』は同書130頁より)で紹介されていた、アインシュタインの蔵書にもあったという1946年に出版されたリトグラフ集より(Spinoza: Eight Plates Lichtenstein, Isaac)。単に寄贈されただけのものかも知れないが。これとは別に1946年アインシュタインはスピノザに関する本の序文を書いている(**)。
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S・ヘッシング編『スピノザ生誕三〇〇年記念論文集』 一九三三年―
「スピノザは、あらゆる出来事の決定論的な拘束性という思想を実際に首尾一貫
して人間の思考、感情、行動に適用した最初の人物です」
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R・カイザー『スピノザ』 一九四六年―
「私たちが自由な意志を、すなわち因果的制約から独立して働く意志を持ってい
るという印象が幻想であり、私たちの内面で働いている原因についての無知に由
来するものであることは、彼にとって疑いのないところであった」
http://www.press.tokai.ac.jp/bookpub.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01213-9
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1929年のニューヨークのHerbert S. Goldstein師の電信での質問「あなたは、神の存在を信じますか? 50語で答えてください。」に対して、アインシュタインは
「私は、人類の運命と行いについて気にする神ではなく、世界の秩序ある調和として現れる、スピノザの神を信じます」
(別訳「存在するものの法則ある調和のなかに自らを顕現するスピノザの神を私は信じ、人間の運命や行動に介入する神は信じません。」)
"Ich glaube an Spinozas Gott, der sich in der gesetzlichen Harmonie des Seienden offenbart, nicht an einen Gott, der sich mit Schicksalen und Handlungen der Menschen abgibt."
"I believe in Spinoza's God, Who reveals Himself in the lawful harmony of the world, not in a God Who concerns Himself with the fate and the doings of mankind."
と、ドイツ語で25(27?)語で答えた。スピノザは自然主義の汎神論者だった。
(New York, April 24, 1921?(1929?), published in the New York Times, April 25, 1929)
追記:
『スピノザ辞典』(1951)ヘの序文を含めた全三点のスピノザ関連書籍への序文の邦訳は、『アインシュタイン、ひとを語る』(東海大学出版)で読める(ガリレオやマッハへの言及が興味深い)。
http://www.press.tokai.ac.jp/bookdetail.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01213-9
目次:
http://www.press.tokai.ac.jp/bookpub.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01213-9
29 D・D・ルネス編『スピノザ辞典』 一九五一年―
「確かなのは、スピノザが精神と身体の相互の影響に関する問い、およびその両
者のどちらが「本源的」であるかという問い、このそれぞれの問いの無意味さをき
わめてはっきりと認識していたことです」(邦訳『アインシュタイン、ひとを語る』121頁)