・ O R …オペレ ーションズ ・リサ ーチ ( o p e r a t i o n s r e s e a r c h )の略 。数学的 ・統計的モデルを利用して 、最も効率的な解を求める科学的技法 。
インフレギャップ と デフレギャップ
セイの法則 と 有効需要(effective demand)の原理が当てはまる。
A・スミス と マルクス
木下はケインズを批判するが、ケインズの理論と言っていい。
現状認識が大事になる。
サミュエルソンの45度線分析(厳密にはサミュエルソン創始ではない)が今も有効だ。
参考:
Ivar Jantzen 1939 「45度線分析」の創始者
デンマーク人。経済学者になる前は探検隊の測量担当者?
覇権国家が覇権を取るのは恐慌後、社会共通インフラを整えた後…
木下はコンドラチェフの波を80年と考えている
経済にはエルゴード性がありバブルは未来の資産を切り崩している
木下は『世界経済の覇権…』では日本の核武装推進論をゲーム理論で説いている
以下木下栄蔵『アメリカの次…』2012より
覇権国家
成長経済 /\
/\ ___/ \__→
/ \ |発展した
通常経済 / \ 恐慌経済 |フェーズ
______/ \_____|
インフレ デフレ
経済成長する時期 次の経済成長のための
社会的共通インフラを
構築する時期
主役=市場 主役=国家
〇財政再建 〇財政出動
✖︎財政出動 ✖︎財政再建
投資効率(e)
投資利益率/
市場利子率
e 〉1 e〈1
上の図は『資本主義の限界』2016でさらに改定されている。
____
「 2つの経済にそれぞれ 1つの視点がある 」
木下 細い右上がりの線は 、需要関数です 。これは 、企業が設備投資をすれば上に上がるんです 。この上の斜線の部分が 、セイの法則が成立する部分です 。そして 、設備投資を減らした場合は 、下の斜線の部分が需要不足になります 。この図ではっきりと 、右上が通常経済 、左下が恐慌経済ということがわかると思います 。
三橋 ということは 、トリガ ーは 、企業が投資を増やすか 、減らすか 、基本的にはそれだけなんですか 。
木下 そうです 。それがきっかけです 。その結果 、消費が影響してきます 。先に企業です 。その後に消費です 。
三橋 ということは 、対策としては 、この下の有効需要の不足 、需要不足が出ているときは 、 D "を Dに上げなければいけないということですね 。だれかが投資をしなければいけないと 。
木下 そうそう 。だから 、これを上げるのは 、まず政府が上げなければいけないんです 。
木下 …恐慌経済では一般的に供給力は需要量よりも多い 。式であらわせば 、 「 Y < C + I 」です 。このことは 、セイの法則 「モノを作れば必ず売れる 」が成立しないことを意味しています 。ここが大事なんです 。物をつくっても 、消費しないということなんですよ 。このとき 、リカ ードの比較優位説により 、貿易すると 、総供給量が増えるんですが 、セイの法則は働きません 。したがって 、需要量は全く増えない 。
三橋 恐慌経済ではリカ ードの比較優位説は成立しないわけですね 。
木下 そうです 。しかも 、恐慌経済が抱える 2つの問題 。通常経済の場合とは違って 、恐慌経済の抱える 2つの問題は 、デフレギャップと失業者なんです 。
…
木下 逆に恐慌経済の場合は 、これが絶えず 「 Y < C + I 」なんですよ 。
…
木下 サミュエルソンの晩年の作品 、作品の名前は忘れましたが 、その作品に次のようなことが書かれています 。つまり 、リカ ードの比較優位説は 1国しかもうからないという結論に達しているんです 。でも 、理由がわからないと 。
三橋 事例を見たら 、そうなっているということですね 。
バブルとバブル崩壊は 8 0年単位で起こる
再掲:
____
木下栄蔵『世界経済の覇権…』より
通常経済 恐慌経済
インフレ デフレ
経済成長する時期 次の経済成長のための
社会的共通インフラを構築する時期
主役=市場 主役=国家
〇財政再建 〇財政出動
✖︎財政出動 ✖︎財政再建
投資効率(e)
投資利益率/
市場利子率
e 〉1 e〈1
三橋貴明のスタイルは 、過去のデ ータを見える化 (グラフ化 )し 、現在の状況に至る 「流れ 」および解決策を構築するというものになります 。
木下栄蔵先生の手法は 、オペレ ーションズ ・リサ ーチという数学的技法により 、現在の状況及び解決策を導き出すという画期的なものです 。
アプロ ーチが異なるにも関わらず 、両者の結論が全く同じになっているという点については 、注目に値します 。すなわち 、この世の中には 「 2つの経済 」があり 、一方の経済における政策や対策は 、もう一方の経済においては無効もしくは逆効果になってしまうのです 。木下栄蔵先生の言葉でいえば 、 「通常経済 」と 「恐慌経済 」になります 。これを一般的な言葉でいえば 、インフレ経済とデフレ経済になるわけですが 、デフレ環境下でインフレ対策を実施すると 、デフレはより深刻化します 。逆もまた 、真なりです 。ところが 、現実の日本においては 、デフレ下にも関わらずインフレ対策 (増税 、公共投資削減 、 T P Pなど )を叫ぶ政治家や評論家ばかりが跋扈しており 、日本経済はデフレの泥沼で足掻き続けています 。
わたくしは上記の状況を変えるべく 、正しい政策を実施するよう言論活動を続けてきたわけですが 、木下栄蔵先生の 『経済学はなぜ間違え続けるのか ─マルクスもケインズも見逃した経済の 2つの法則 』 (徳間書店 )に出会い 、衝撃を受けました 。わたくしがデ ータに基づき正しいと 「推測 」していた経済理論が 、数式で証明されていたのです 。
演習OR 経営と評価のためのOR入門/木下 栄蔵/大屋 隆生 - 紙の本:honto本の通販ストア
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商品説明
OR(オペレーションズ・リサーチ)の各手法をはじめて学ぶ人のためのテキスト。「線形計画法」「待ち行列」など各章1つずつ手法を取り上げ、そのモデルをルールとして説明し、ルールに沿って解ける問題を例題として示す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
木下 栄蔵
- 略歴
- 〈木下栄蔵〉1949年生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。工学博士。名城大学都市情報学部学部長、同大学大学院都市情報学研究科・研究科長、教授。共著に「戦略的意思決定手法AHP」等。
関連キーワード
Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: 資本主義の限界 2016
https://www.amazon.co.jp/product-reviews/4594075312/ref=cm_cr_dp_synop?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=recent#R1ZY5XUE9KO5N9
本書では経済状況を「正の経済」と「反の経済」に分類する。正の経済では「供給<需要」であって、供給がなされれば需要がそれに追いつく。資金供給が設備投資となり、供給が需要に追いつき均衡が達成する。逆に反の経済では「供給>需要」であり、資金需要があっても設備投資につながらない。必要なのは需要を増やすことである。
著者はもともとオペレーションズリサーチ(OR)の専門家である。ORの最もポピュラーな手法であるLP(線形計画)問題では、上限制約の中で最大値を求める問題(主問題)と下限制約下で最小値を求める問題(双対問題)の関係が教科書で述べられるが、著者はこのことから、正/反の経済を想起したことは、既存の著書において著されている。
本書でいう「経済学の限界」とは、経済理論がその時代の正あるいは反の経済状態でしか通用しないものであること意味している。本書ではそれらを包含するものとして、各国の正反の経済状況を歴史的経緯とともに示し、我が国の今の状況はまさに「反の経済」下であるとする。いくら金融緩和をしても設備投資に結びつかず、必要なのは、需要を増やすことで、デフレギャップを解消することだとしている。
では、どのようにして、需要を増やし、反の経済から脱するのか?本書では過去の歴史で何度も陥ってきた戦争による解消や、無駄な公共事業の実施ではないと述べる。「反のバブルの崩壊」により、「正の経済」へ復帰すると述べられている。反のバブル崩壊とは如何なる状況か?理論的にはそれが明快に示されているが、現実の事象としてそれがどのような状況なのかは詳らかにされていない。提示された平易な理論のもと、読者はこのことを色々と想像してみることができる。このことこそ本書が読者に投げかけている問であろう。多くの人にとって大いに刺激となる本である。
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『アメリカの次…』2012より
覇権国家成立のための5つの条件
① 資本主義が確立していること
② 経済バブルが発生し、その経済バブルが崩壊すること(経済の1サイクルを経験する)
③ バブル崩壊後の恐慌経済下で財政出動して、後の発展のための社会資本を整備すする
④ バブル崩壊時、経済債権国であること
⑤ 民主主義国家であること
《これまで日本は、覇権国とうまく付き合ってきました。》
木下はインドに言及していない
図はわかりやすくなっている
図25 バブルと乗数効果:
バブル経済の崩壊:
消費全体が委縮して、消費係数aは1を切って、a < 1 となり、正常な消費活動にもどるのです。
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孫子の兵法の数学モデル―最適戦略を探る意思決定法AHP (ブルーバックス) | 木下 栄蔵 | 本 | Amazon.co.jp
1998
AHPとは、いくつか選択肢のいずれかをを選ぶ、あるいは、複数の選択肢に対する力配分を決める、というごく日常的な行動において、数学的に最適解を求めるための方法論である。数学テクニック的には行列計算の知識があれば理解できるのだが、その根拠を本当にきちんと理解するのは骨が折れる。ページ数が少ないので、この本だけで得心するのは難しいかもしれない。また、AHPにはいくつか「仮定」が必要であり(それがAHPのよさというか特徴ともいえるのだが)、そのような仮定をベースとする意思決定の妥当性(説得力)をどう考えればいいのか、いろいろと疑問も残る。
いろいろ腑に落ちないところはあるのだが、とてもおもしろい本である(本がおもしろいというよりAHPがおもしろいともいえるが)。こういった問題の整理の仕方や数学の使い方というのは個人的にはとても新鮮であり、AHPの本をもっと読んでみたいと思った。
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現在の日本
以下木下栄蔵『アメリカの次の覇権国はどこか?』2012、『資本主義の限界』2016より
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プ 通常経済 /ブ | ブ\ 恐慌経済
_________/ル | ル\______________
発 | 崩\ デ
デ 生 | 壊\______ フ
フギ インフレ | デフレ | レ
レャ 経済成長する時期 次の経済成長のための| ギ
ッ 社会的共通インフラを| ャ
プ 構築する時期 金\ ッ
融 \プ
主役=市場 主役=国家 緩 \
〇財政再建 〇財政出動 和
投資効率(e)
投資利益率/市場利子率
e>1 e<1
「供給=需要」「供給<<<需要」「供給>需要」「供給>>>需要」
木下はケインズを批判するが、ケインズの理論と言っていい。