キリストからブルジョアジーへ…ウェーバー(「宗教」決定論)を反転(正確には90度回転)させ、能動性の契機探るドゥルーズ。能動性はフロイトの症例的には危険だが、自殺することさえ一つの生を獲得する契機になる。オイディプスに対抗するのは機械モデルであり、敵を反転させるだけではなく、三角形には円形で対抗する。金子光晴のように…。両義的なスピノザの表現もまたドゥルーズの手にかかれば能動性の契機になる。
III – La mémoire comme coexistence virtuelle (Ontologie du passé et psychologie de la mémoire)
V – L’élan vital comme mouvement de la différenciation (Vie, intelligence et société)
http://filosofia.fflch.usp.br/sites/filosofia.fflch.usp.br/files/docentes/sites/safatle/2015/2%20sem/Teoria%20das%20Ci%C3%AAncias%20Humanas
%20III/DELEUZE,%20Gilles.%20Le%20Bergsonisme.pdf
(小林秀雄の書き込みは第三章前半、第四章全体に多い。第五章も全体にラインが多い。)
小林秀雄について:メモ(ドゥルーズ『ベルクソンの哲学』への書き込み)
http://nam-students.blogspot.jp/2013/04/blog-post_12.html
差異化の概略的シェーマ(『創造的進化』第二章)
↗|
物質 ↗↘|さまざまな世界。そしてそれぞれの世界に物質のもろもろのタイプがあり、
(弛緩)→ |それは、生命が回避すべき外的・内的な障害として出現する。
/ ↘ |
/ 炭素同化作用
記憶-持続 植物:葉緑素の作用(連続的にエネルギー|/
\ / を蓄積し、爆薬を貯蔵する。) |\窒素同化作用
\生命
(収縮) 非中心化した神経系:本能
\動物:神経系(非連続的にエネ|/ 物質の外在化と支配
ルギーを消費し、爆薬を|\中心化した神経系 :知性/
爆発させる。) | \生命の転換と包括(直観)
★ベルクソンの「生命」は「植物」「動物」。
ベルクソンの生命の捉え方を「差異化の概略的シェーマ」(『創造的進化』第二章)としてジル・ドゥルーズ(1995)が示している(『ベルクソンの哲学』邦訳p114)。ドゥルーズは、「生命」とは、「動物」と「植物」であり、「物質」を除いているのである。
☆☆
ドゥルーズのスピノザ像も、ライプニッツに近づけすぎている点に注意。そのライプニッツ像も信仰から遠くなっている。
Spinoza et le problème de l'expression (1968)
Table des matières
Introduction : Rôle et importance de l’expression
Première partie : Les triades de la substance
Chapitre I : Distinction numérique et distinction réelle –
Chapitre II : L’attribut comme expression –
Chapitre III : Attributs et noms divins –
Chapitre IV : L’absolu –
Chapitre V : La puissance
Deuxième partie : Le parallélisme et l’immanence
Chapitre VI : L’expression dans le parallélisme –
Chapitre VII : Les deux puissances et l’idée de Dieu –
Chapitre VIII : Expression et idée –
Chapitre IX : L’inadéquat –
Chapitre X : Spinoza contre Descartes –
Chapitre XI : L’immanence et les éléments historiques de l’expression
Troisième partie : Théorie du mode fini
Chapitre XII : L’essence de mode : passage de l’infini au fini –
Chapitre XIII : L’existence du mode –
Chapitre XIV : Qu’est-ce que peut un corps ? –
Chapitre XV : Les trois ordres et le problème du mal –
Chapitre XVI : Vision éthique du monde –
Chapitre XVII : Les notions communes –
Chapitre XVIII : Vers le troisième genre –
Chapitre XIX : Béatitude
Conclusion : Théorie de l’expression chez leibniz et chez spinoza (l’expressionnisme en philosophie)
Appendice : Étude formelle du plan de l’Éthique et du rôle des scolies dans la réalisation de ce plan
スピノザと表現の問題 新装版 (叢書・ウニベルシタス)
目次
はしがき
序論 表現の役割と重要性
第 I 部 実体の三つ組
第1章 数的区別と実在的区別
第2章 表現としての属性
第3章 属性と神の名称
第4章 絶対者
第5章 力
第 II 部 平行論と内在性
第6章 平行論における表現
第7章 二つの力と神の観念
第8章 表現と観念
第9章 非十全性
第10章 デカルトとスピノザ
第11章 表現の内在性と歴史的要素
第 III 部 有限様態について
第12章 様態の本質、無限から有限への移行
第13章 様態の存在
第14章 身体は何をなしうるか
第15章 三つの秩序と悪の問題
第16章 倫理的世界観
第17章 共通概念
第18章 第三種の認識に向かって
第19章 至福
結論 スピノザにおける表現の理論(哲学における表現主義)
付録 『エティカ』の計画とこの計画が実現された際の注解の役割についての形式的研究──二つの『エティカ』
原注
訳者注
訳者あとがき
著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ドゥルーズ,ジル(ドゥルーズ,ジル/Deleuze,Gilles)
1925年生まれのフランスの哲学者。1969年からパリ第八大学教授をつとめる。ドゥルーズは概念の創造に哲学本来のあり方を探り、自ら概念を新たに創造することによって哲学を作り直そうとした。1995年11月4日死去
工藤 喜作(クドウ キサク)
1930年横浜に生まれる。東京教育大学大学院博士課程満期退学。筑波大学名誉教授、目白大学名誉教授。文学博士。2010年死去
________
Spinoza: Philosophie pratique (1981)
Table des matières
Chapitre premier - Vie de Spinoza
BIBLIOGRAPHIE
I. Dévalorisation de la conscience (au profit de la pensée) : Spinoza le matérialiste
Chapitre II - Sur la différence de l’Éthique avec une morale
II. Dévalorisation de toutes les valeurs, et surtout du bien et du mal (au profit du « bon » et du « mauvais ») : Spinoza l’immoraliste
III. Dévalorisation de toutes les « passions tristes » (au profit de la joie) : Spinoza l’athée
Capitre III - Les lettres du mal (correspondance avec Blyenbergh)
Chapitre IV - Index des principaux concepts de l’Éthique
Chapitre V - L’évolution de Spinoza (sur l’inachèvement du Traité de la réforme)
Chapitre VI - Spinoza et nous
【レビュー】
■全体の構成
六章仕立てだが、内容として続き物であるわけではなく、好きな箇所から読んでいっていいと思う
読んでおもしろいと思ったのは、第二章と第五章。
■おもしろかった章(2,5,6)
第二章は、スピノザ哲学を生の哲学と規定しているのが特徴。意識、善悪の倫理観、悲しみの受動的感情を否定する理論を作ったとして解釈している。ニーチェよりも先に、ニーチェ的なことを言った哲学者という解釈。 スピノザは、形而上学から入るには難解なので、生の哲学という方面から入るのはとっかかりとしていいかもしれない。
第五章は、思想の発展過程を検証する系の論文。知性改善論からエチカの間の発展を説明するものとして、「共通概念」に着目している。六章のうちで一番研究論文っぽい。研究者が、論文を作るために個々の解釈を知る必要がある場合は、参考になるかもしれない。
あと、読み物としては第六章がおもしろかった。エチカを音楽と結びつけたエッセイ。論証的ではなく、これが一番気楽に読める。
ジル・ドゥルーズ - Wikipedia
Le bergsonisme (1966)
『ベルクソンの哲学』宇波彰訳、法政大学出版局:叢書ウニベルシタス、1974
Différence et répétition (1968)
『差異と反復』 財津理訳 河出書房新社、1992/河出文庫上下、2007
Spinoza et le problème de l'expression (1968)
『スピノザと表現の問題』工藤喜作ほか訳 法政大学出版局、1991
Logique du sens (1969)
『意味の論理学』 岡田弘・宇波彰訳、法政大学出版局、1987
『意味の論理学』 小泉義之訳、河出文庫上下、2007
Dialogues avec Claire Parnet (1977)
『対話』 河出書房新社
Spinoza: Philosophie pratique (1981)
『スピノザ 実践の哲学』鈴木雅大訳 平凡社 1994/平凡社ライブラリー 2002
…
_______
『差異と反復』:構造図
Différence et répétition (1968)
時 間
__________反 復__________
|\ |\ |はじめに/|
潜在性 可能性 未来 \(6)|ハイデガー|
|//\ 6結論 表象| \ | ///|
|〜差異と反復 |(5)\ | /(0)|
|////\スピノザ | \|/反復と差異
|///永劫回帰 |___0序論、1___|
|//ニーチェ\ 運動、行動 <質>////|
|//5////\ |(4)//|/\(1)|
〜感覚されうるもの\ | ///|//\//|
|の非対称的総合//\ | /(3)|(2)\/|
|//////////\|/////|////\|空
|_____ドゥルーズ『差異と反復』|_____差
|///////////|(ショーペンハウアー)異
|/ライプニッツ/// | \/アリストテレス/|間
〜差異の理念的総合/矛盾| \それ自身における|
|//4/////同一性|キルケ\差異/1///|
|/////// 想起 |ゴール \/スコトゥス|
|//微分// 弁証法 |ヒューム \プラトン/|
|///// | <様相>////|
|//// 3 | 2 \///|
|//〜思考のイマージュ|それ自身へ向かう反復/|
|//プラトン、デカルト|ベルクソン タルド\/|
|/ カント、ヘーゲル 過去 フロイト ラカン\|
/__________起源___________\
「差異は現象(フェノメノン)ではなく、現象にこの上なく近い可想的存在(ヌーメノン)である。」(第五章冒頭部分より)
「図式は、〈時-空〉的諸連関を概念の論理的諸連関に対応させている…」(第四章「力動あるいはドラマ」文庫版下135頁より)